国際会議で発表した

9/8~9/10の間にナイアガラフォールズで行われた国際会議で発表をしてきました。将来研究者になりたいわけでもないぼくにとってそれは、単なるハードルでしかないわけですが。また、ぼくにとって今回が国内含めて初めての会議(学会)参加でした。しかも、研究室の先生や共同研究者は一緒に会議に着いてきてくれなかったので、全くわからないまま会場に放り投げられる形になりました。一応備忘録としてここに残しておきたいと思います。

スライド作成と諸々の予約

6月初旬、教授から「論文が通ったから、9月にアメリカでプレゼンしてきて」というメールが届きました。この論文3月の学会でリジェクトされていたまま存在を忘れていたので、びっくりしました。ただ、翌週のゼミでスライド作成は7月に入ってからでいいと言われたので、6月中は他のことをしていました。

7月は、スライドの作成と発表練習ばっかりしていました。ぼくの大学は学生がスライドを作成して発表する講義が殆どありません(卒業研究発表のときが最初かも)。なので、とりあえずインターネットから拾ってきた知識をもとに、情報は過剰書き,自分が話す予定のことはなるべくスライドに入れない,アニメーションを使わないなどということを念頭にスライドを作成しました。ただ、それを見せると先生はめちゃくちゃ不機嫌になって「お前の英語なんて絶対通じないんだから原稿を全部スライドに書け!! どうせ面白いことを英語で言えないんだからオーディエンスの目を引くためにアニメーションを使え」などとネットと正反対のことを言われどんどん手直ししていきます。2週間くらい連続で先生に添削してもらい、毎日のように説教をされていました。今は先生も忙しいだろうに自分のゴミスライドを毎日添削してくれてありがてぇと思いますが、当時はいつこの説教を録音して事務室に持っていくかとか先生と会わないための方法ばっか考えていました。ちなみにあとから聞いて話ですが、このスライド添削で毎日説教されるのは恒例行事らしく、これによって優秀ながら研究室をやめた人もいたそうです。それを聞くと、ぼくの精神力って意外とすごいのかもなとか思っています。

このスライド作成と並行して、諸々の手続きをしていきます。とりあえずアメリカなので飛行機です。はじめはGoogleフライトで検索していたのですが、航空券とホテルは一緒に取ったほうがいいということを聞き、エクスペディアを使ってホテルと航空券を一緒に取りました。予約の報告をしたときに、
教授「そういえば、飛行機っていくらくらいだった?」
わい「えーと○○万円くらいでしたよ。ぼくはホテルと一緒に取りましたけど」
教授「まじでじゃあ俺行けないから一人で頑張って。△くん(OB)も一人だったよ。まぁ2回目のときだけど」
わい「(^^)」
という感じで、先生が来ないことを知りました。発表はどうにかなるにしても、質疑応答どうすんだよと震えてしまい、その夜深酒したのは言うまでもありません。
あとは、旅費の申請の為に大学の事務をたらい回しにされたり申請書類の記入などをして、あぁ先生が言っている事務作業が面倒ってこういうことなんだろうなぁと勝手に思いました。
ちなみにぼくの研究室は将来研究者になるわけでもない学生なら学会聞いても仕方ないから色々観光してこいっていうスタンスです。ただ、実はナイアガラの滝は5年前に訪問済みのため、そこまでありがたくはないです。

カンファレンス

ぼくは最終日午後イチのセッションでの発表でした。当日は時差ボケが解消されていなかったので1時に目が覚めてしまい、会場に向かうまでホテルの中でずっと本を読んでいました。12時頃会場に到着すると、ちょうどランチタイムだったので、会場には誰もいませんでした。しばらくすると、一緒のセッションで発表するアメリカの大学に通っている博士課程の中国人がやってきました。彼女が発表の準備を始めていたので、後からぼくも同じように準備を行いました。セッションは30分のプレゼンが3つある感じで、ぼくが一番最後でした。開始2分前までオーディエンスは5人くらいしかいなかったので、楽勝やんけwと思っていましたが、時間ぴったりに続々と人が入ってきてびっくりしました。座長の女性は開始2分前くらいに入ってきて、バッグを背負ったまま発表者の確認をしていました。ネットでは座長に事前に挨拶に行くことと書かれていましたが、ぼくの場合それはできませんでした。できればそこで、初めてだから緊張しているよ的な保険をかけておきたかったです。
いよいよセッションが始まり前2人が発表していきます。当然全く聞き取れません。しかも、座長がかなりガツガツ質問していたのでかなりビビりました。中国人の方も中国訛りの英語でしたが、質疑応答ではめちゃくちゃディスカッションしていてすごいなぁと思いました(KONAMI)。いよいよぼくの番になり、プレゼン台の前に立つと緊張で手が震えました。一応発表者ツールの起動に成功してカンペ読めるやんと思ったんですけど、ディスプレイサイズが小さいのとめちゃくちゃ画質が悪くて文字は見えませんでした。ぼくのプレゼンは、先生が「お前の英語なんて伝わらないから、話すことを全部スライドに書いとけ」という方針なのでどうにかなりましたが、あまりカンペやスライド頼るのは良くないですね。緊張しすぎてほとんど何が起きたか覚えていないんですけど、ぼくの発表中に数名が退出したのは確認しました。まぁ仕方ない。ぼくもプレゼンや教科書に書いてあることをそのまま読み上げる系の講義とか大嫌いです。まぁプレゼンというのは原稿を読んでいれば終わるもので、Thankyouというとパラパラと拍手をしてもらえました。明らかに前の発表者より小さい気がしましたが。運命の質疑応答です。座長が"Questions?"と言うものの、想像通り誰も手を上げません。欧米人って意外と質問しないんですよね。下見をしたセッションやぼくの前の2人の発表も座長だけが質問していたものがほとんどで、手が挙がっても2,3人程度です。なんか無駄にバカスカ言ってくるのかと思っていました。10秒くらい過ぎたタイミングで座長が"OK. I have a question. ~~"と話し出しました。めっちゃ回りくどい言い方をしていたので、全く質問がわからず" Um … I’m not following you. Can you rephrase that more simply?"と聞き返しました。すると、実験のスライドを見せてと言われてもう少し簡潔な質問をしてくれました。何回か同じようなやりとりしたら、質問がようやくわかりました。質問は、実験で用いたインスタンスが現実社会では起こり得ないような難しいものなのはなぜ?的なものです。これは想定質問なので、iPadに書いたカンペを見ながら1文で説明しました。まぁ一応納得してもらえたようではあります。ただこのシンプルな質問を引き出すまで何回も聞き直してしまったので、ちょっとうんざりされていました。終わったあとに座長に"Umm... good"と言われましたが、少し残念そうな顔をしていたのをぼくは見逃しませんでした。

反省

・飛行機は早めに予約する
飛行機は結構すぐに値上げしたりするので、行くことが決まった段階ですぐに予約するべきだった。
・スライド
周りの人はパワポじゃなくてpdfを使っている人が多かった。アニメーションを使っていたのはぼくくらい。あとスライドは結構簡潔で1ページあたり3,4分くらい使って説明する感じ。当然スライドに書いてある文章はほとんど用いず言い換えたり詳しく話したりすることが多い。まぁこれに関してはネイティブスピーカーじゃない場合ぼくのスタイルと彼らのスタイルどちらに合わせるべきかは微妙。原稿を完璧に覚えられる自身があるなら彼らのスタイルに合わせてもいいかもしれないが、30分のプレゼンでそれができるとは思えない。うーん。
・質疑応答
質問が分からなければどんどん聞き返すべきだなぁと思いました。多分発表の段階でこいつ英語全然できないやんけみたいな空気になるんで、質疑応答で恥じる必要なんかない。想定質問はやっぱり先生と相談しておくべき。これがあるのとないのとでは大きな違いがあると思う。相手の英語が100%理解できなくても、これもしかしてこの想定質問のこと聞いてるのかなと目処が立ちやすい。想定質問意外が来たときのことは考えたくない。
・持ち物
先生に全く持ち物を聞いていなかったので、パソコンあればええやろと思ったが、そういうわけでもない。type-AのUSBメモリは絶対必要。大学みたいに自分のパソコン繋ぐのかなぁとも思ったけど、そういうわけでもないらしい。仮に自分のPC繋ぐにしても変換アダプタとかは持参するのが一般的らしい。